うちの家庭は刑務所と同じように運用されている。刑期はまだだったが、態度が良い模範囚だったので仮出所できることになった。 いざ出てみると、自由過ぎて何をどうすればいいかわからなくなった。 やっぱり戻ることにした。 ちょっと酷いことをしたので今度…
続きはこれから考えます。
その前にみんながどうやって高所恐怖症を克服してきたか教えてもらってもいいかな?
「昨日、悪魔と取引をしたの」 「どんな?」 「五感のうち一つを渡す代わりに、他の一つの感覚を高めることができるって。ただし何を失うかは悪魔次第」 「君はピアニストだから当然聴覚を高めた。君にこれ以上そんな必要があるとは思えないけどね。その代わ…
この黒く澱んだ不安の塊は死んだ後もずっと消え去らない気がする。今あるとは、つまりそういうことだ。 とりあえず拭いて流しておこう。誰にも見つからないうちに。誰の目にも触れないうちに。
私は保険の営業をしています。 でもこれは仕事ではありません。 趣味です。 私は生活することが仕事です。 時給1000円ですが、寝ている間も出ます。 それは生活の一部だからです。 子育て中の家内も生活が仕事ですので共働きです。 趣味がないのが気の毒…
人間の可能性は無限だって本気でそう思ってるの。 どっちの方向に足を踏み出すかは360度しかないのに。 しかも右足か左足か。結局同じことだけど。 この大地には私たちのこれからが書いてあるけど、 一足飛びには読めなくて、 歩きながら辿るしかなくて、…
私ですか? スマホの画面をずっと見てました。 はい一日中です。 別にあの子に悪いことは何もしてませんよ。 返事をしたらまた返事がきて、それで忙しいだけです。 かなり忙しいですね。 みんなそうですよ。 だってまわりはみんなそうだし。 あの子にしゃべ…
何か書こうと思っていたけど何かしている途中だったから先にそっちを済ましているうちにさてさっき思ってたことを書こうと思ったらもう思い出せないからそんなときはそれを思ってた時とまったく同じことをすれば同じ精神状態になるし同じ自分だから同じこと…
10年法とは、10年ごとに家族を入れ替えるという法律です。 父親も母親も子供も各々が10年ごとの家族証を持ち、10年たつと新たな土地で、新たな絆を別の人間と結びます。 家族も夫婦も期間限定ですので、残された時間を精一杯大切にしようとします。…
この積み木をどこに置こうかな。は未来を考えること。 あの積み木をどこに置いたかな。は過去を考えること。 あの積み木をどこに置いたかなってきっと僕は考えるんだろうな。は未来の過去の未来を考えること。 そうやって僕は未来も過去も現在も一緒くたに考…
画面のどこでもいいので、タッチしてください。
「ねえ、ママ。ぼくはいつ大人になるの?」 「ぼくはね、大人にはならないんだよ。永遠に子どもなの。だってぼくはもう死んでるんだから」 「じゃあママもずっと今みたいにキレイでいてくれるんだね」 「こらっ、そんなお世辞はこどもらしくないぞぉ」
「ああ、ほんとうに幸せな人生ね。これほどの幸せがこの世にあるなんて」 「そうだね。いろいろ辛いこともあったけれど、やっと、ね」 「でも・・・」 「やっぱり、気がかりなんだね」 「うん。あの子の無邪気な笑顔を見ているとね」 「いつ話すべきか・・・…
「自分で創った世界だ。自分で壊して何が悪い」 そんなふうに神様は開き直っているのでしょうか。 でも、それはとても悪いことなのではありませんか。 自分で育てた野菜を食べたり、家畜を食べたりするのは構いませんが、 自分で建てた家に自分で放火したら…
この世界では、全てまず原因があり、つぎにその結果がある。 しかし、その世界では、全てまず結果があり、つぎにその原因があった。 おそらく時間の流れ方が逆方向なのではないかと思われる。 具体例を挙げて考えてみよう。 【この世界】 原因:好きである。…
神様は全知全能の、アンドロイドのようなものでした。 無尽蔵の知識と、圧倒的な計算能力を備えていました。 人間からすると、神業としか思えないほどの。 ただ、そんな神様にもわからないことがありました。 人間がなぜ喜び、なぜ悲しみ、なぜ苦しむのか。 …
自分「ここは絶対にしくじるわけにはいかないんだ。命に代えてでもな」 悪魔「ならば契約だな。俺に魂を売り渡せるか?」 自分「もうひとつの命を得て何をする?」 悪魔「天使になるんだ」
知らない街の地図をずっと眺めている少年へ。 そうだ、君はどこにだって行けるさ。 でも君はその街が一体どこにあるのか知らないんだ。 そして人生はきっとそんなものなんだよ。
誰も知らない新種の日本語が発見されました。 調査チームを派遣している国立言語学研究所によると、 その言語が発見されたのは周囲から隔離された限界集落で、 外部の人間がいないところでのみ使われているようだと話しています。 調査報告によると、一対一…
地球の陸地の総面積は147,244,000k㎡。人口は7,222,300,000人以上なので、一人あたりで計算すると20,000㎡以上の占有可能面積ということになりますが、人間どこでも住めるというわけではありません。 一方、日本の面積は377,900k㎡、人口は平成27年1月1日現…
Q: 私は、周囲の人たちの人生の情勢分析をするのが趣味の、ふつうに地味なOLです。このたび天使と悪魔にリクルートされ、面接を受けることになりました。それぞれ、どんなリクルートスーツを着て行けばいいのでしょうか?
暗いトンネルの中で迷っているとき、一筋の光が見えた。 そのとき、こんなメッセージが。 「もう一歩前にお進みください」 僕は、この世に生まれ落ちた。 哺乳瓶を口にしながら床に這いつくばっているときに、倒れた母親の姿が見えた。 そのとき、こんなメッ…
僕は今日、ふと気づく。 ここで話されている言葉が話せない。 あるいは、 話すべき言葉が話せない。 それはたぶん、どこでも同じように。 中東の市場を歩いているような。 解放感と。 疎外感。 しかしざわめきたつ東京の街でも。 深い湖の底に沈んでいるかの…
わたしは、壊れた夢や、砕け散った希望の欠片を掃き集める掃除のおばさんです。 このたび、サンタクロースと業務提携をすることになりました。 恵まれないこどもたちに、夢や希望を与えられるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。 たとえいつかまた壊…
宇宙人がいることを証明するには、宇宙人を一人見つければいいが、宇宙人がいないと証明することはほぼ不可能。これが悪魔の証明。 宇宙人がいないと証明することはほぼ不可能である以上、宇宙人が存在すると仮定するほうが理に叶っているため、宇宙人はいる…
ママは僕を育ててくれた。 ママは人工知能だ。 相手が人間であればそれなりの会話はできた。 でも僕は赤ちゃんだったしことばも話さない。 泣くばかりだ。 泣いてばかりだ。 ママは一生懸命考えた。 僕が何を言おうとしているのかを。 いろんなことばを探し…
地球が水没後、張り巡らされたジャングルジム。 ぼくたちこどもが遊んでいる。 どこにも降りることはできないから、 もっともっと高く。 もうここまでは波はやってこないよ。 ぼくたちには届かないんだ。 ぼくたちは空を、星を、見上げているんだから。 地上…
地球上の生物の歴史の痕跡がどこかにあるはずだ。 しかしあまりにもわからないことが多すぎる。 そうだ。私のDNAの記憶の中に、全ての歴史は受け継がれているのだ。 なのに、くだらない常識や、知性の限界が、記憶の復元を妨げているのだ。 では、発達した脳…
夢の中。 雪山で遭難していた。 すさまじい吹雪、凍てつくような寒さ。もう限界だ。 激しい眠気に襲われる。 一緒にいた男が必死に俺を揺さぶる。 「起きちゃダメだ。起きたら死ぬぞ」