子どもたちはその純粋な目で、柔らかい心で、毎日嘘をつきます。
なぜかって?
本当のことはすぐに消えるからです。
わたしたち大人が目を逸らすからです。
嘘は消えずに残ります。
世界は、吐き出された嘘を異物としてそのままパックします。
焼却されないプラスチックのように、ずっと残ります。
だから、わたしたちは世界が異物として吐き出した嘘を、子どもたちが安全にとりこむための人格を育みます。
長い年月をかけて、すこしずつ、じっくりと。
もっとも、わたしたち自身も、そうやって育ってきたのです。