「私に触る前にまず指紋認証して」と彼女は言った。
「読み取りするところはどこにあるの?」と私は言った。
「どこにあると思う?探してみたい?」と彼女は言った。
「少し時間かかるかもね」と私は言った。
「いいわよ、好きなだけ時間をかければ」と彼女は言った。
「本当にいいのかい?」と私は言った。
「わたしの時間はあなたのもの。でも・・・」と彼女は言った。
「・・・でも、君はまだ僕のものじゃない」と私は言った。
「認証されるまでは。でも、もう時間の問題かしら」と彼女は言った。
「この幸せな時間が終わるまで」と私は言った。
「あなたがこのキスをやめるまではきっと見つからないわ」と彼女は言った。
「いい加減、おしゃべりはやめないか」と私は言った。
「なぜ?」と彼女は言った。
「その唇に僕の指を当てなくてはいけなくなるからさ」と私は言った。
「ハズレね。でもうれしいわ。あなたが本当に在り処を知らないのなら」と彼女は言った。
「君が僕のものになるまでは、知らないことにしておこう」と私は言った。