Wakeupalicedear!

Shortest stories

掌の小説

公園のすべり台から飛び降りたら死ねるかなって考えていたら、

赤いスカートの女の子に「どいてよ、すべるんだから」って言って、押しのけられた。

「さっきはごめんね」って、小さな掌をぎゅっと握りしめて、ぼくに差し出す。

「なにが入っているの?」って聞いたら、ぱっと手を広げた。

きらきらした、とってもささやかだけど、素敵なお話がとびだした。

ポップアップ絵本みたいに、ひらひらって、音をたてながら。

そうさ、ファンタジックな昼下がりに僕は、まだ生きている。