2014-09-21 掌の小説 ファンタジー 公園のすべり台から飛び降りたら死ねるかなって考えていたら、 赤いスカートの女の子に「どいてよ、すべるんだから」って言って、押しのけられた。 「さっきはごめんね」って、小さな掌をぎゅっと握りしめて、ぼくに差し出す。 「なにが入っているの?」って聞いたら、ぱっと手を広げた。 きらきらした、とってもささやかだけど、素敵なお話がとびだした。 ポップアップ絵本みたいに、ひらひらって、音をたてながら。 そうさ、ファンタジックな昼下がりに僕は、まだ生きている。