Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

『逃げるは恥だが役に立つ』の右肩上がりは「ガッキー✖情熱大陸」の魔法にまんまとかかってしまっているからじゃない?

もはやYAHOOニュースの常連になっている『逃げ恥』の右肩上がり。離脱率とかいう見慣れない数字まで登場する騒ぎですね。ガッキーのただのファンである私としては人気の秘密も何も見続けない理由がないので何がどうあれどっちみち見るのでどうでもいいっちゃいいのですがそれにしてもいろいろと興味深いので第1話にさかのぼって考えてみます。

 

ファーストカットはパソコンを打つガッキーの手のアップ。美しすぎます。思わせぶりに黒幕があまり美しくもない手を見せる『IQ246』とはえらい違いです。オフィスにガッキーがいるという時点でSFです。

 

君の名は。」と同じ、夢の中での入れ替え、あるいは「シン・ゴジラ」の現実のヴァーチャルシミュレーションがやってることは結果的には過去のパロディーに過ぎないのにリアルに感じてしまうことと同じように現実離れ度の大きさが問題で、「ゴジラ」「隕石」そして「契約結婚」というか「ガッキー」ということでいうと、リアルそうなガッキーがやっぱり超弩級に現実離れしていることがおわかりいただけるものかと。

 

なので「情熱大陸」で始まったことは必然なのです。ルックスも含めてのあんなスーパー派遣、現実にはいないですから。そこで普通は引っかかるんですが、ガッキーだから、忘れてしまうんですね。「君の名は。」がアニメだから、あのあり得なさを忘れてしまうのと同じことかもしれません。

 

情熱大陸✖ガッキー」がほどこしたマジックを考えてみましょう。

 

  • ガッキー・・・超一流芸能人
  • 派遣スタッフを演じるガッキー・・・ありえない
  • 情熱大陸』に出ているガッキー・・・もし実現すれば実像に見せかけた虚像、あるいは虚像に見せかけた実像になるだろうけどもはやビッグすぎて情熱大陸に出るメリットがないのでとても現実的とは言えない
  • 派遣スタッフを演じるガッキーがそのまま『情熱大陸』に出る・・・やってみればいいのに
  • 派遣スタッフを演じるガッキーが『情熱大陸』に出ていることにしたドラマ・・・ありえるかもしれない
  • 派遣スタッフを演じるガッキーが『情熱大陸』に出ていることにしたドラマのシーンはガッキーの演じる心理学で大学院まで出た森山みくりの意図的な妄想でしかなかった・・・めんどくさくてもうどうでもよくなる

 

このどうでもいいやというところにまで持っていくのが大事で、なんか嘘くさいテレビドラマの設定自体が実際どうなの?というところを茶化しているのが好感持てますよね。

 

「これですか?会議資料です。データの集計を頼まれて」

「心がけてること・・・正確さと迅速さ。時給をいただいている以上、時間内で最大限のパフォーマンスをしたいと思っています」

 

 というのを、ガッキーの笑顔で言われたうえ、就活全滅で派遣社員やってますっていう時点で、「なんだこれ?」と思いますが、というか見ている人間全員が思ったはずですけど、情熱大陸のテーマが流れた時点で、催眠術にかかっちゃうんですね。

 

だいたいは本当なんだろうけど、ちょっと嘘も混じっちゃってるんだろうなというのは了解済みで、リアルとバーチャルの境目を楽しむというような。

 

だからこれがイモトアヤコだったらどうなのか。

 

  • イモトアヤコ・・・そこそこの人気芸能人
  • 派遣スタッフを演じるイモトアヤコ・・・大いにありえる
  • 情熱大陸』に出ているイモトアヤコ・・・ありえすぎる。ただし『イッテQ!』がOK出すかはわからない
  • 派遣スタッフを演じるイモトアヤコがそのまま『情熱大陸』に出る・・・100%ありえない
  • 派遣スタッフを演じるイモトアヤコが『情熱大陸』に出ていることにしたドラマ・・・ありえるかもしれないがあまり見たくない
  • 派遣スタッフを演じるイモトアヤコが『情熱大陸』に出ていることにしたドラマのシーンはイモトアヤコの演じる心理学で大学院まで出た森山みくりの意図的な妄想でしかなかった・・・あまり見たくない度が加速度的に増す

 

ということで、結論として、見る側が妄想に安全に逃げ込めるガッキーでしか成り立たないドラマ、ということですね。

 

 しかしたぶんこれは男性側の妄想目線であって、女子側の、たとえばイモトアヤコ側からの妄想目線に立ったのが第4話。大谷亮平みたいなイケメンにも求められたらどうしよう?みたいな。星野源はふつう女子の妄想に現れにくいのではないかという点で、だからこそお笑いにもなっているわけですが、3、4話とそこを強化したうえで、「私の恋人になってもらえませんか?」という、ニッポン男子の究極な妄想に突き進むわけです。

 

その伏線は、第3話のこのあたりのエピソードにありました。

 

【第3話】

 

星野源 

いっそ開き直って、疑似恋愛を楽しむくらいの気持ちでいたらどうだろう。実際にどうにかなるなんてことは絶対にないのだから。

 

カチャ(ずり落ちたメガネを直す音)

 

こいつ、ほんとにそう思ってるだろうなっていう。一日中二人っきりで一緒にいるらしいなガッキーと。という日本中の嫉妬に巻き込まれて平気なのだろうか。おそらくその究極の妄想の中から出なければいけなくなったとき、切れ目王子は現実世界に無事に戻ってこられるのか?まさにそれはエヴァンゲリオンな。

 

炊き上がった炊き込みご飯の香りを胸いっぱいに吸い込んで幸せそうなガッキーを見るという幸せ。バナナだらけのエプロンでちょっとダサいのがさらに好感度アップ。この前、紫イモだらけのワンピースを来ている人を見かけましたけどね。ガッキー、「理想の奥さん」ランキング、ダントツ一位は間違いなし。「家事代行サービスの美女度がアップすれば使ってみたいですか調査」のYES回答率も跳ね上がるでしょうね。

 

「おかえりなさい」

「オオ、ただいま。帰りました」

 

 新婚ごっこの気恥ずかしさが「萌える」(®ガッキー)。

 

カチャ(ずり落ちたメガネを直す音)

 

コトン(何の音だ?大道具か?)

 

という細かい音作りが憎いですね。

 

鰹節を鶴瓶がコンコン鳴らすCMは親子共演のヤマキの割烹白だし。

「いろんな料理に使えるんだし」

2年前からやってるの?ほんとの親子なの?もしかして契約親子なの?

 

www.youtube.com

 

(炊き込みご飯のアップ)

 

淡々と食べる星野源

 

首を、ぐ、ぐと落とし込むガッキー。

 

口を少しだけ開ける。左上が少し上がる非対称の表情。ガッキーの真骨頂。

 

もう一回、首を落とし込む。「ん?どう?」

 

じっと見ていることに気付く、星野源

 

「いえ、何でも」

 

「いえ」が、首を振るのに遅れて出てくる。

 

自分も食べるけど、おいしいとは言わないで、鼻息を「ふっ」と出す。

 

その後の星野源は、箸と首の動きに遅らせて「あ、そういえば・・・」とガッキー師匠に倣って、レゲエのリズムで。

 

「炊飯器、買ったんですか」

 

はい・・・と首を振りながら、遅れて、「はい」、手に持ったお茶碗を少し前に掲げてから、「それで炊き込みご飯を」

 

「ものはこちらに」以降は間を溜めないテンポのいいやり取りに。

 

ということで、

 

【言葉になる一歩手前のことばで交わされるコミュニケーションと遅れて出てくるズレの心地よさ】

 

みんな世知辛いコミュニケーションに疲れているところに、こういうのんびりした時間の、

 

浸透力、ハンパない!

 

 ということだと思います。

 

それって仕事場での上司との関係の心地よさと、自宅で感じる男との粗雑な関係のストレスの入れ替えかもしれませんよね。同じ屋根の下に住んでようがセックスレスで一体何だこの関係は家計をともにしているだけではないか。家庭という要素が入った時点でめんどくさくなる人間関係。それに比べて契約書で関係性が規定されていることの安心感。でもそれがやがて恋愛感情も生んでしまうのだとすれば社内恋愛の妄想を刺激されたりもするかもしれません。

 

みんなお見合い結婚とか意外といいなと思ってるのかもしれませんね。でもそのままのお見合いだとほんとにいやな人だったらやだし、みたいな。インターンで確かめてからの結婚みたいな。じゃあ結婚にインターンを導入すればいいんじゃないですかね。婚約ではなくて、あくまでお試し。うまくいけばそのまま。うまく行かなくても離婚歴はつかないし。

 

そう考えた時に、これってそもそも、雇い主と契約社員なのですから、「契約結婚」という表現自体が間違っていますよね。未届け状態ということは、結婚ではないのですし、家事サービスの契約をしているだけですしね。仮に「妻業」を仕事と考えるなら、本当に契約結婚なんでしょうけど、そこにはたぶん夜の営みのことも入ってきてしまうので、それって普通の結婚とどう違うのかという、さらにめんどくさいことになってしまうので、普通の結婚でいいんじゃないのということにもなりかねないのですが、結局『逃げ恥』も結局そこに逃げ込むのかどうなのか。「結婚に逃げるは恥だが役に立つ」ってこと?

 

たとえば、

 

冷蔵庫のおみやげ、持っていくの忘れないでくださいね。

会社へのおみやげ?

 

あれはみくりさんに買ったものです。

 

へ?

 

いつもお世話になっているので。

 

ささやかですが。

 

 このタメ口は、従業員と雇い主の会話ではないですね。

 

 それから「独身のプロ」という星野源の設定ですが、家事ができないというのはおかしいですね。芸能界で言えば、今田耕司ナイナイ岡村は異常に部屋がきれいで、「触るな動かすな」らしいのに。そういう男を知らない方たちの妄想ということなのかどうなのか。だからやっぱり「独身のプロ」ではないし、あまり向いてもいない。ただモテないだけの男ですね。そして家事もできないのですから、ただのダメ男ぶりが、ガッキーの萌え感を誘うと考えるとそんなにわからない話では全然ないのかもしれません。だから人気なのか?

 

家事をやっているところがほとんど出てこない「べっぴんさん」も含めて、この「家事」をめぐる時代のモヤモヤ感、確かにありますね。

 

あっという間に年末の大掃除の季節がやってきます。『逃げ恥』も人生の大掃除に向かって突き進んでいきます。どんどん右肩上がりはガッキーファンとしてはどこか複雑ですけどね。