Wakeupalicedear!

Shortest stories

籠の外に飛び出したセキセイインコの行方は今もまだわからないままだ

何か書こうと思っていたけど何かしている途中だったから先にそっちを済ましているうちにさてさっき思ってたことを書こうと思ったらもう思い出せないからそんなときはそれを思ってた時とまったく同じことをすれば同じ精神状態になるし同じ自分だから同じことを考えるだろうきっとと思ってまったく同じところに戻って同じことを同じように繰り返すんだけどそれでも思い出せないってことがよくあるけどそれって人生ってそういうことだよね。そんなことばっかりしている気がするよ。物事は繰り返したところで何も元には戻らないんだ。それはとても悲しいことだけれど。村上春樹風に言うならばね。そんなとき僕は中学生の頃のことを思い出す、それはセキセイインコを二羽飼っていて、庭で鳥籠の掃除をしているときに、カゴの小さな扉が開いていることに気付かず、二羽がカゴの外に出てとことこ歩いていたときのことを。直ぐに捕まえないと飛んで行ってしまう、でもかわいがっていた方のインコは大丈夫だ、なついているから逃げないんだと信じていたので、いつも嘴で咬みつかれていてかわいくないなこいつと思っていた方を先に捕まえて籠の中に戻して振り向いたら、かわいがっていた方のインコはいなくなってしまっていた。いまこうやって振り返るとそのあとの人生もそういうことを同じように繰り返している気がする。大事なものを大事にするというあたりまえのことをどうしたらうまくできるようになるんだろう。