Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

樹を愛でる

僕は種を植えた。

ふかふかとふくらんだ土にそっと指先で。

芽が出た。

あっというまに大きくなって、瑞々しい葉っぱをつけた。

僕は待った。

彼女が僕にとって初めての樹だったから。

僕の背の高さを遙かに凌駕し、しっかりとした幹になった。

もう登れるくらいだ。

僕はじっと見つめ、そっと手を近づける。

触れてもいいのだろうか。

迷っている僕に彼女は自分から近づいてきてくれた。

いやそんなことはないな。

きっと僕の方が引きつけられたんだろう。

その艶めかしい光沢を湛えた木肌に。

それにしても悪戯なキツツキだ、こんなところに穴をあけるなんて。