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【願望を言う英語表現】から学ぶ「人間の自由」と「生命の尊厳」

願望を言うときの英語の表現には様々なものがあります。

学校でも習う代表的な表現が現実社会でどのように使われるのか、国内外のネットで探してみました。

 

I want ~】

I want Alfa Romeo.

http://www.alfaromeo-jp.com/iwantalfaromeo/

物であれ、人間であれ、つまり物欲、性欲どちらでも、また征服欲、名誉欲から知識欲まで幅広く使えます。セクシーなフォルムとカラーリングのアルファロメオも欲しいでしょうし、熟れ時フェロモン満開の長澤まさみも欲しいでしょう。ごく健全な願望です。ストレートな欲望に使う場合が多く、歪んだ欲望にはあまり適切ではありません。

 

I want to ~】

Louis van Gaal: I want to make Manchester United "the best team in the world"

http://www.mirror.co.uk/sport/football/news/louis-van-gaal-want-make-4950661

イタリア車の広告塔・長澤まさみのファンであることを公言してやまないけれども、ドイツ車アウディのアンバサダーである、日本代表の司令塔で現ドイツブンデスリーガ・ドルトムント所属の香川真司選手がかつて所属したイギリス・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド、いわゆるマンUのオランダ人監督ルイス・ファン・ハールの言葉、「マンUを世界一のチームにしたい」、それはそうでしょう、世界一有名なチームの一つなのですから。実現する可能性は関係なく、言うのは自由ですから、みなさんも遠慮なく使いましょう。ただし、ファン・ハール監督のようにお金や社会的地位や周りの評価や運や実力を持っている場合は別に構いませんが、どれも一切持っていないのにもかかわらず、大の大人が無邪気に非現実的なことを言うと笑われるだけので、覚悟を持って使いましょう。責任も自分で取りましょう。

 

I'd like to ~】

I’d like to have a child, but my mother was abusive – will I be like her?

http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2015/jan/09/want-child-but-had-abusive-mother

新聞のお悩み相談です。子どもが欲しいんだけれども自分も自分の母親と同じように自分の子どもを虐待するんでしょうか?というヘヴィーな質問です。I want to have a childではないところがミソで、I'd like to ~、もし許されるなら、というニュアンス含みです。そこまで素直に子供を欲していいのか迷っているということです。言い換えると、その自分の「欲望」自体、人として適切なものなのかということです。回答者は率直に、「どうなるかはわかりません」と答えています。ただ、"You're not your mother."であって、母親の全てをそのまま受け継ぐわけではないので、セラピストやパートナーとよく話し合ってくださいと付け加えています。"You're not your mother."は、いまや小学校でも習うレベルの簡単な否定形の表現ですが、この文章のように実はこれだけでかなり深い内容を伝えることができます。シンプルな表現ほど強いのです。とはいえ、この文章をそのまま小中学校のクラス全員で唱和することをお勧めするわけではありません。

 

I hope (that) ~】

'My newborn baby will die just minutes after birth - but I hope he or she can save others'

http://www.independent.ie/life/family/my-newborn-baby-will-die-just-minutes-after-birth-but-i-hope-he-or-she-can-save-others-30892293.html

18週目に入った赤ちゃんが頭蓋骨の形成に問題があり、生まれてすぐに(おそらく数分で)命を落としてしまうことがわかっているのですが、適切な時期が来た段階で出産することを決心した両親の話です。目的は、臓器移植で他の子どもを救うためです。”We want our wee baby who has no chance of life to give a life to others.” つまり、自分たちの子ども(「おちびちゃん」)は人生を全うすることは叶わないけれど、他の子どもたちに命を与えるために生まれてきてほしい、と語っています。最初のlifeは、おそらく「人生」の意味で、二つ目のlifeはおそらく「いのち」の意味で使っています。lifeにその二つの意味があることをうまく利用して、たとえ人生はなくても「いのち」はあること、そしてその意義をアピールする文章になっています。We want our wee baby... ここにも want が使われています。こうした表現からも、願うこと自体は全ての人に許された自由ではあるけれども、時と場合によってはその結果重い責任を伴うものであり、またそれが人生そのものであるということに気づかされます。