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Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

このシチューの旨さもわからない下等動物のくせに

「あなた、あったかいシチュー、作ってるからね」

 

もういい加減、夫を殺そうと思った。

いまあったかいシチューに毒を入れているところだ。

こんなにおいしいものを食べながら死ねるのだから、

夫にはもったいないくらいだ。

 

「あったかいシチュー、たっぷりあるからね」

 

深皿になみなみと注いで、立ち昇る蒸気と芳香。

私の脳裏には、口の中に放り込んだ後、

常軌を逸した咆哮を放つ苦悶の表情が浮かぶ。

 

「どうぞ。熱いから火傷しないように気をつけてね」

 

そんなもの、最期とはいえ見たくもないので、

さっさとキッチンに引き上げることにする。

 

******************************

 

「なあ、さっきのシチューに、小さな人間の死体が浮いていたぞ」

 

寝室でパジャマのボタンを開けながら、下等生物が話しかけてくる。

ここはむしろパジャマのボタンを留めるべきタイミングなのに。

下等生物はどうやらまた変な臭いのする粘液を分泌しながら、

私の全身を舐め回すつもりなのだろう。

私の作るシチューの旨さもわからない下等生物のくせに。