Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

女としてのこのうえない復讐

女は男に弄ばれ、無造作に捨てられた。

女は最期に言った。

「生まれ変わって復讐してやるわ。このうえなく残酷な方法で」

 

女は生まれ変わってかわいい男の子を生んだ。

女は男の子をこのうえない愛情で包み込んだ。

かつて恋人であった時よりもはるかに深い愛情をもって。

子どもを産むためだけにつきあった父親とはすぐに別れ、

その男の子には他の誰にも手を触れさせなかった。

男の子は穢れを知らぬ、純粋な、天使のような笑顔を浮かべた。

母親だけに向けて。

 

男の子は成人となったいまも、

母親からの愛情以外のいかなる感情も知らない。

怒りも、苦しさも、悲しさも、切なさも。

そして母親は、突然にこの世を去った。

しかし、息子は、そのことに何の感情も抱くことができなかった。

そしてその後の長く孤独な人生において、

もはや決して注がれることのない母親からの愛情を、

枯れかけの観葉植物のように、ただひたすらに待ち続けた。