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Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

僕が覚えている未来

時間SF

僕は未来が見える。むしろ覚えているという感覚に近い。

ふつうの人が過去のことを覚えているみたいに、大事なことは特にはっきり見える。

でも、過去のことを覚えていることができない。記憶は5分間だけだ。

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このチカラのことはできるだけ黙っていたんだけど、周囲に知られてしまった。

信頼していたトモダチに裏切られたんだ。

裏切られることはもちろん知っていた。

それでも人を信じているふりをしたいときは、僕にだってある。

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僕のことは世界中の研究機関の知られるところとなった。

僕は、そして、どこかに連れてこられた。

おそらく軍事目的だろう。

こいつらは、僕のチカラが未来に向かっていることの意味をわかっていない。

僕の運命を決めてしまうようなことをすれば、僕の見える未来も限定されてしまうのに。

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僕の見える未来は、昼も夜もない不自然なほどに真っ白な部屋に閉じ込められた自分。

そして時々現れる白衣やスーツ姿の男たちの姿だけ。他にはまったく何も見えない。

ははは、おじさんたち。これじゃあ僕のチカラのことは何もわからないんじゃないかな。

それとも、それでいいんだっけ?誰も知りたくはないもんね。世界の未来なんて。

僕も知りたくなんかないし、ずっと閉じ込めておいてくれていいんだよ。

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でもね、あなたたちがそうすることを、僕はとっくの昔から知っているんだよ。

不幸な世界の行く末を見て絶望することのないようにという、

こんなチカラを与えてしまった神様の、せめてもの償いの気持ちなんだろう。

僕はそんなふうに納得しているんだよ。