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Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

羊たちの喧騒

一つの人格はモノラルで深みにかける・・・
二つの人格はステレオで別モノを無理やり合わせている印象・・・
五つの人格にしてはじめて立体的に人物像が浮かび上がる・・・


彼らはFBIのプロファイリング捜査で使われていた手法を元に、犯罪者の隠れた人格を5.1chサラウンドで引き出すことで犯罪の動機を解明しようとしている。

しかし、5人+0.1人のうち、個別の人格がさらに多重人格であるケースも多く、最大22.2chまで確認されている。

そんなわけなので、取り調べは困難を極める。それぞれの人格を呼び出すのに時間がかかるし、すぐに引っ込んでしまうことも多い。

やっとのことでひとつの人格に犯人を特定できたとしても、人格ごとに個別に収監できるわけでもないので、そのかわりにその人格が外に出てこられないような処置が導入された。「自分という名の牢獄」に閉じ込めるわけだ。

もし閉じ込めた人格がメインの人格で、他の人格もメインの人格から派生するものであった場合、結局全員が閉じこもってしまうことになり、その場合、誰も何も全く音を発することがなくなる。

逆に、22.2chのうちの一つの人格だけがふたをされる場合は、誰も気づかないのだ。

 

最近では、取り調べそのものの強いストレスが新たなサラウンド人格を生み出してしまう危険性も指摘されており、それがしばしば、犯罪者的な人格をねつ造することに悪用されているのではないかという人権団体からの指摘もある。

 

なお、私はいま「自分という名の牢獄」に収監中だが、我ながらあまりに犯罪者的な傾向が強いので、私こそまさにその、ねつ造された人格ではないかという気もし始めている。