Wakeupalicedear!

Shortest stories

落語の天才


「いやあ、あいつはホントに天才だよな。

あれだけの人物を完璧に演じ分けるんだからな」

 

「いや、それは、天才というより・・・」

 

「10人?15人?おれなんか途中から頭の中がこんがらがってきたぞ」

 

「いや、ある意味、こんがらがってるんですがね」

 

「どういうことだ?」

 

「あれは落語というより劇団の芝居と言いますか・・・

いわゆる多重人格というやつで、

一つの人格がそれぞれ別の役になってしゃべってるわけなんです」

 

「そりゃ、反則じゃねえか」