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Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

自画像

悪魔


男は画家になりたかった。

自画像を描いていた。

どうしても似ない。

これは自分ではない。

 

彼は悪魔と契約を交わした。

人生の半分を渡そう。

その代り、自分そのものの自画像を描けるようにしてくれ。

 

彼は、自分のありのままの自画像が描けるようになった。

しかし、そのうち彼は気づいたのだ。

自分そっくりに描けているのではなく、

自分の描く絵に自分が似てしまうのだ、ということに。

いつの間にか彼は元の顔とは似ても似つかない顔に変貌していた。

 

それでも構わないさ。自分は画家なんだ。

作品作りに没頭するのが仕事なんだから。

 

やがて彼の描く絵は抽象性を高めていった。

具象から抽象へ。

ごく自然な流れだ。

 

そして、そうした抽象画のように、

彼の姿もまた、輪郭を失くし、色が混ざり合い、

人間とは判別がつかないものとなった。