ある日、地球に80億個ほどの穴が掘られていました。
人類一人一人に、オーダーメードしたようなぴったりさです。
誰もが寸分の違いもなく、パーフェクトフィットです。
みんな入ってみましたが、気持ちのいいくらいにフィットするのです。
フィットすることはこんなにも気持ちのいいことなのか。
それはフィットしてみないとわからない感覚です。
もう出られませんし、出られるはずがありません。
みんな究極に自分だけにふさわしい居場所を見つけたのですから。
それがつまり、結果的には棺桶だったとしても構うもんですか。
誰も出る気にならずそのまま朽ち果てて、
人類そのものが歴史に埋もれようとも、何が困るというのですか。
とにかく気持ちがいいのですから。
なんせパーフェクトフィットですから。