Wakeupalicedear!

Shortest stories

僕が僕であるために

僕は人前でどう振舞ったらいいのか、よくわからないのです。

人間だれしも、いろんな人間関係とか会社の中で求められる役割とか誰かに愛されている性格とかイメージとかを演じきらなければならないじゃないじゃないですか。ひどい奴だと思われてたら急にいいひとになるわけにもいかないでしょう。

でもよくよく考えてみればそんなのどう見られてるかなんて考えてもわからないし、聞いてもほんとに僕についてどう思ってるかなんて答えてくれるわけないし、3日前のイメージも今になってみれば全然違うかもしれないし、要するに恥ずかしすぎるんです。耐え切れません、そういうの。

だから、役者をやってるのは楽なんです。こんなに気が楽な職業はないですよ、実際。

どんなにその人物になりきっても、僕自身ではないですよね。殺人犯を演じても僕ではないですよね。だから殺人犯を演じている僕が誰を殺そうが、殺したのは僕ではないですよね。