Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

往復書簡

それはおそらく、中世のことだっただろう。

二人は運命的な出会いをした。
これほどまでに人を愛することは、もう永遠にない。
二人ともがそう確信するような出逢いだった。
しかし、その愛は暴力的に引き裂かれた。
二人は約束した。
往復書簡を交わそう。
生まれ変わっても、
何があっても、毎日、欠かさず。
どんな形であれ、絶対に。
 
それはたぶん、現代のことだろう。
生まれ変わった二人は、運命に導かれ、再び出逢った。
恋に落ち、結婚し、二人で暮らし始めた。
幸せな日々が続いた。
理不尽に引き裂かれることもなかった。
 
二人の距離は自然と離れた。
話すことがなくなった。
それでも夫婦には、何かと連絡の必要が発生する。
冷蔵庫の上にメモを貼ることにした。
疲れて帰宅し、
相手のメモを読み、
くしゃくしゃに丸め、
ゴミ箱に無造作に投げ、
書きなぐった返事のメモを貼る。
何があっても、毎日、欠かさず。
その理由は、二人にはわからない。
往復書簡を交わすことが、
自分たち自身で定めた永遠の誓いだったとしても。
 
そして二人は生まれ変わり、
往復書簡を交わすため、そのためだけに、
再び運命的に出逢うのだろう。
そして、意味もなく傷つけあうのだろう。