Wakeupalicedear!

最近はほとんどドラマの感想なんだけど、ほんとは短い小説を書くためなんだけど。

書くということ

文章家・文筆家・作家を自負(自称)する皆様へ:改行禁止令が発令されました

世界的な森林資源の急激な減少、製紙工場の必要とする多大な水資源、製紙工場からの排煙による大気汚染など、製紙業と環境破壊の密接な関係性が明らかとなっている現在、書籍・雑誌からオフィス文書に至るまで無駄な改行による紙資源の余計な消費を押さえよ…

絶筆を受け継ぐものと、受け継がぬもの

その万年筆には作家の魂が宿っていた。 絶筆となった作品は、誰かがそれを手に持ち、紙に筆先を当てさえすれば、自然と残りの物語が紡がれたかもしれない。 しかし、その機会は既に失われている。 この世界から紙が姿を消したからだ。 いま万年筆は博物館の…

書き残そう、あなたの人生の物語

書き残そう、あなたの人生の物語。 たとえ誰にも言わなかった秘密が明らかになろうとも。 たとえあなたを愛してくれた人々の信頼を裏切ることになろうとも。 たとえ最愛の人にさえ幻滅されようとも。 たとえあなたが関わった人々の人生にとって唯一の汚点と…

それはそれは見事な腕を持った長編小説家でした。しかしアルツハイマーになりました。長い話の筋や人物関係を覚えていられなくなり、書けば書くほど破綻していきました。そのうちに、主な仕事は短編小説になりました。その世界でも高く評価されました。しか…

筆圧

筆圧っていやらしいですね。 押し返す力を感じながら、撫でるかのように。 ものを書くことも、あなたに触れることも、 どちらも、つまりは何かを伝えようとしているのですから。 そのわずかな圧力と反発力によって、 それもこれも、つまりは、恋文なのですか…

恋文

ネットで知り合った彼女に、それはそれは心のこもった恋文を送ってたわけだよ。世界の文学賞総ナメのこのおれがだよ。世界何億人を相手にしているこのおれが、たった一人のためにだよ。それがだよ、たかが機械にやられちゃったわけだよ。どうやら、やつらは…

遺書を読む

何かを書くというのはまるで自殺行為だよ。 何か書くと未来の人はそれを読んで、 ああこの人はこれを書いた時生きてて、 これが読まれているいまのことは何も知らないんだ、 この時はいつ自分が死ぬかも知らずに、 のんきに書いているわけだわ、と思われる。…

鉛筆の芯

何かわからない理由で投獄された。 多分、もう出られない。 独房だ。 鉛筆が一本、目の前の床に転がっている。 先はこれ以上ないほど、鋭く尖っている。 私は作家だから、三つの選択肢がある。 小説を書くこと。 ただし、鉛筆の芯が尽きるまでだ。 長編は無…

これをぼくらは文学と呼ぶ

いろいろ病気は治療法が見つかってしまい、 死ぬ人が少なくなってしまい、 人工授精のほうがコスパがいいのでセックスは廃れ、 愛だの恋だのなんてのは古語辞典にしか載らない言葉になり、 死ななくなれば宗教も経済の格差もなくなり、 それは見事な民主的な…

警告: これは長編小説(危険度3)です。

父親が無念のうちに亡くなったのは常識外れに長い小説のせいである。 そういう遺族の訴えが認められ、多額の賠償金が作家に課せられた。 「死ぬまでに読み切れないことが、無念で、無念でならない」と、病床で慟哭し、毎晩泣き咽ぶ最愛の父の姿を語った遺族…

自分に宛てた遺書が届く頃には

私の処女作は、未来の自分に宛てて書いた遺書です。 私の遺作は、過去の自分に宛てて書いた遺書です。 どちらも自分には読まれることはありません。 しかし、誰に読んでもらう必要もなく、自分自身に読んでもらいたいのです。 しかし、生きている私しか、そ…