変な日常
私は保険の営業をしています。 でもこれは仕事ではありません。 趣味です。 私は生活することが仕事です。 時給1000円ですが、寝ている間も出ます。 それは生活の一部だからです。 子育て中の家内も生活が仕事ですので共働きです。 趣味がないのが気の毒…
「ねえ、ママ。ぼくはいつ大人になるの?」 「ぼくはね、大人にはならないんだよ。永遠に子どもなの。だってぼくはもう死んでるんだから」 「じゃあママもずっと今みたいにキレイでいてくれるんだね」 「こらっ、そんなお世辞はこどもらしくないぞぉ」
「ハンバーガーの食べ過ぎですね」と医者は言った。 舌と口腔内の筋肉が軟化剤の影響で軟弱になっているらしい。 どうも最近、他人と話が通じないと思った。 よく聞き直されるんだよね。 「すみません、何とおっしゃいました?」って。 それで、カスタマーサ…
スマホの画面に小さな毛が落ちてる・・・たぶん睫毛だ・・・さっき目こすったし・・・とれない・・・なか・・・なか・・・あれっとれないほんとに・・・逃げるなっつうの・・・ってまだとれない・・・どうしよ・・・えいっ・・・ こんなふうに悪戦苦闘してい…
ここはね、介護付きの老人ホームだったの。 意識もはっきりしない、相当きつい状態のお年寄りが多くてね。 そのまま亡くなると、自分が亡くなったこともわからないのよ。 だから、部屋にまだ、いるのよ。 死んでいることもわからないまま、介護を求めるのよ…
男は、眠りにつくと必ず夢を見た。しかし、その自覚はなかった。現実と夢とが完璧につながっていたからだ。眠りにつくその日の夜までに起こったすべてデータをもとに、人工頭脳が新たな一日の流れを描き出すからだ。もともとの毎日がただの繰り返しだから、…
「あ・い・し・て・る!」 「・・・なんか、エロくない?」 「最近、五十音図が変わったみたいよ」