悪魔の証明 ー 天使の証明

Shortest stories without stories.

仕事人間にだって生活はあるけれど、生活することの方が仕事よりも毎日辛いです

私は保険の営業をしています。 でもこれは仕事ではありません。 趣味です。 私は生活することが仕事です。 時給1000円ですが、寝ている間も出ます。 それは生活の一部だからです。 子育て中の家内も生活が仕事ですので共働きです。 趣味がないのが気の毒…

パパの秘密のおしごと

「パパ―、ごはんできたわよー」 私は幸せな夫であり、また幸せな父親である。 この平和な国に生まれてよかったとつくづく思う。 かわいい娘の成長を毎日自分の目で確かめられること以上に幸せなことがこの世にあるだろうか。 この愛する娘のためにこの国がい…

さあ、一歩を踏み出せ。

人間の可能性は無限だって本気でそう思ってるの。 どっちの方向に足を踏み出すかは360度しかないのに。 しかも右足か左足か。結局同じことだけど。 この大地には私たちのこれからが書いてあるけど、 一足飛びには読めなくて、 歩きながら辿るしかなくて、…

なぜ親子なのに心を通わせようとしないのかってどういう意味ですか?

私ですか? スマホの画面をずっと見てました。 はい一日中です。 別にあの子に悪いことは何もしてませんよ。 返事をしたらまた返事がきて、それで忙しいだけです。 かなり忙しいですね。 みんなそうですよ。 だってまわりはみんなそうだし。 あの子にしゃべ…

籠の外に飛び出したセキセイインコの行方は今もまだわからないままだ

何か書こうと思っていたけど何かしている途中だったから先にそっちを済ましているうちにさてさっき思ってたことを書こうと思ったらもう思い出せないからそんなときはそれを思ってた時とまったく同じことをすれば同じ精神状態になるし同じ自分だから同じこと…

10年法

10年ごとに家族を入れ替える法律。 子供も父親も母親もそれぞれ10年ごとの家族証を持ち、10年たつと新たな土地で、新たな絆を別の人間と結びます。 家族も、夫婦も、常に離散し、常に再結成します。 期間限定なので、残された貴重な時間を精一杯大切に…

積み木は積むためにあるのではなく、いつ積むのをやめるのか考えるためにある

この積み木をどこに置こうかな。は未来を考えること。 あの積み木をどこに置いたかな。は未来の過去を考えること。 あの積み木をどこに置いたかってきっと僕は考えるんだろうな。は未来の過去の未来を考えること。 そうやって僕は未来も過去も一緒くたに考え…

あなたの指紋を採取します

画面のどこでもいいので、タッチしてください。

ピーターパン・シンドローム

「ねえ、ママ。ぼくはいつ大人になるの?」 「ぼくはね、大人にはならないんだよ。永遠に子どもなの。だってぼくはもう死んでるんだから」 「じゃあママもずっと今みたいにキレイでいてくれるんだね」 「こらっ、そんなお世辞はこどもらしくないぞぉ」

これほどの幸せがこの世にあるなんて

「ああ、ほんとうに幸せな人生ね。これほどの幸せがこの世にあるなんて」 「そうだね。いろいろ辛いこともあったけれど、やっと、ね」 「でも・・・」 「やっぱり、気がかりなんだね」 「うん。あの子の無邪気な笑顔を見ているとね」 「いつ話すべきか・・・…

創造物責任法

「自分で創った世界だ。自分で壊して何が悪い」 そんなふうに神様は開き直っているのでしょうか。 でも、それはとても悪いことなのではありませんか。 自分で育てた野菜を食べたり、家畜を食べたりするのは構いませんが、 自分で建てた家に自分で放火したら…

引きこもりの惑星

その宇宙船は、もう少しで目指す星に辿り着くところでした。 しかし、爆破されてしまいました。 地球は、そろそろ住みやすい場所ではなくなってきたので、プロジェクトを立ち上げて、宇宙の星への移住を目指すことになりました。 人間でも楽に住めそうな惑星…

なるようになる。ならないようにならない。なるようにならない。ならないようになる。

この世界では、全てまず原因があり、つぎにその結果がある。 しかし、その世界では、全てまず結果があり、つぎにその原因があった。 おそらく時間の流れ方が逆方向なのではないかと思われる。 具体例を挙げて考えてみよう。 【この世界】 原因:好きである。…

If you don't know me by now

神様は全知全能の、アンドロイドのようなものでした。 無尽蔵の知識と、圧倒的な計算能力を備えていました。 人間からすると、神業としか思えないほどの。 ただ、そんな神様にもわからないことがありました。 人間がなぜ喜び、なぜ悲しみ、なぜ苦しむのか。 …

妊婦のおなかのなか

「これはいかん、エコーに地球が写ってる。ゆっくり自転しているぞ。まるで宇宙船の窓からの景色だ。悪いがあの母親には黙っておいてくれ。丸いから産道で引っかかることはないだろうが、このまま産まれたらいったい地球はどこに飛んで行ってしまうのか。我…

悪魔の契約

自分「ここは絶対にしくじるわけにはいかないんだ。命に代えてでもな」 悪魔「ならば契約だな。俺に魂を売り渡せるか?」 自分「もうひとつの命を得て何をする?」 悪魔「天使になるんだ」

少年へ

知らない街の地図をずっと眺めている少年へ。 そうだ、君はどこにだって行けるさ。 でも君はその街が一体どこにあるのか知らないんだ。 そして人生はきっとそんなものなんだよ。

新種の日本語、ついに発見

誰も知らない新種の日本語が発見されました。 調査チームを派遣している国立言語学研究所によると、 その言語が発見されたのは周囲から隔離された限界集落で、 外部の人間がいないところでのみ使われているようだと話しています。 調査報告によると、一対一…

自宅にいる時ぐらいずっと寝転がっていたい

地球の陸地の総面積は147,244,000k㎡。人口は7,222,300,000人以上なので、一人あたりで計算すると20,000㎡以上の占有可能面積ということになりますが、人間どこでも住めるというわけではありません。 一方、日本の面積は377,900k㎡、人口は平成27年1月1日現…

この世のものではない相談

Q&A

Q: 私は、周囲の人たちの人生の情勢分析をするのが趣味の、ふつうに地味なOLです。このたび天使と悪魔にリクルートされ、面接を受けることになりました。それぞれ、どんなリクルートスーツを着て行けばいいのでしょうか?

ろくでなし

私は生まれてこなければよかったのです。愛すべき我が子を虐待する、ろくでもない母親を生んでしまったのですから。 私は生まれてこなければよかったのです。見て見ぬふりしてイジメを煽る、ろくでもない教師を生んでしまったのですから。 私は生まれてこな…

ところで私のノンレム睡眠がどこに行ったか知りませんか?

【わたしとレム睡眠の関係】 毎日決まった朝食は自動操縦なので私はその間、レム睡眠をとる。 毎日決まったメイクは自動操縦なので私はその間、レム睡眠をとる。 毎日決まった通勤は自動操縦なので私はその間、レム睡眠をとる。 毎日決まった仕事は自動操縦…

もう一歩前にお進みください。

暗いトンネルの中で迷っているとき、一筋の光が見えた。 そのとき、こんなメッセージが。 「もう一歩前にお進みください」 僕は、この世に生まれ落ちた。 床に這いつくばっているときに、倒れたママの姿が見えた。 そのとき、こんなメッセージが。 「もう一…

森の言葉を話せなければ、森には入らないほうがいい。

僕は今日、ふと気づく。 ここで話されている言葉が話せない。 あるいは、 話すべき言葉が話せない。 それはたぶん、どこでも同じように。 中東の市場を歩いているような。 解放感と。 疎外感。 しかしざわめきたつ東京の街でも。 深い湖の底に沈んでいるかの…

掃除のおばさん

わたしは、壊れた夢や、砕け散った希望の欠片を掃き集める掃除のおばさんです。 このたび、サンタクロースと業務提携をすることになりました。 恵まれないこどもたちに、夢や希望を与えられるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。 たとえいつかまた壊…

悪魔の証明-天使の証明

宇宙人がいることを証明するには、宇宙人を一人見つければいいが、宇宙人がいないと証明することはほぼ不可能。これが悪魔の証明。 宇宙人がいないと証明することはほぼ不可能である以上、宇宙人が存在すると仮定するほうが理に叶っているため、宇宙人はいる…

僕はママにことばを教えた。

ママは僕を育ててくれた。 ママは人工知能だ。 相手が人間であればそれなりの会話はできた。 でも僕は赤ちゃんだったしことばも話さない。 泣くばかりだ。 泣いてばかりだ。 ママは一生懸命考えた。 僕が何を言おうとしているのかを。 いろんなことばを探し…

地上に降りない猿

地球が水没後、張り巡らされたジャングルジム。 ぼくたちこどもが遊んでいる。 どこにも降りることはできないから、 もっともっと高く。 もうここまでは波はやってこないよ。 ぼくたちには届かないんだ。 ぼくたちは空を、星を、見上げているんだから。 地上…

猿も木から降りる

地球上の生物の歴史の痕跡がどこかにあるはずだ。 彼はそう考えた。 しかしあまりにもわからないことが多すぎる。 そうだ。私のDNAの記憶の中に、全ての歴史は受け継がれているのだ。 しかし、くだらない常識や、知性の限界が、記憶の復元を妨げているのだ。…

起きたら死ぬぞ

夢の中。 雪山で遭難していた。 すさまじい吹雪、凍てつくような寒さ。もう限界だ。 激しい眠気に襲われる。 一緒にいた男が必死に俺を揺さぶる。 「起きちゃダメだ。起きたら死ぬぞ」